東京都市大学(旧・武蔵工業大学)は、総合研究所所属の伊東明美准教授を中心に、ハイブリットディーゼルトラックをベースに水素燃料エンジンを搭載した水素ハイブリットトラックの開発に成功した。
水素燃料エンジンは、水以外の排出物がない環境に優しい技術で、化石代替燃料を使うエンジンとして、トラックやバスなどの商用車での実用化が期待されている。
同校では、2009年4月に水素燃料エンジン搭載バスを開発、国内で初めて公道走行実験を行った。こうした実証試験の分析結果や課題を活かし、新たに水素エンジンとモーターを動力源とする水素ハイブリッドトラックを開発した。開発では日野自動車の協力を受けた。
水素ハイブリットトラックは、日野自動車の『デュトロ・ハイブリッド』(排気量=4009cc)をベースに開発した。水素燃料エンジンは低速域でトルク不足となる。これをハイブリッドシステムによるモーターアシストで補うため、ベースにハイブリッドトラックを採用した。
点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性を確保した。開発した水素ハイブリッドトラックは、ディーゼルエンジンを搭載するトラックと同等の動力性能を持ち、宅配便や資源回収車などの幅広い用途に活用できる。