3月31日に開幕した韓国・ソウルモーターショーは、初めての週末を迎えた。人々の注目はやはり、超特大ブースを構えるヒュンダイ、キアだ。そして地場メーカーに続き、多くの人々の関心を集めていたのは、積極的な参加を続ける輸入車メーカーのブースだ。
今回のショーでは8か国から139ものメーカーが出展。海外だけで28企業・団体が出展している。欧米自動車メーカーでは、メルセデスベンツ、アウディ、BMW、フォルクスワーゲン(VW)、ポルシェ、フォード、クライスラー、ジャガー・ランドローバー、プジョー・シトロエン、ボルボといった主要メーカーがブースを構えた。日本勢では、トヨタ、レクサス、ホンダ、日産、インフィニティ、スバルが出展した。
出展車両についても、市販車種だけでなく、海外モーターショーで公開されたコンセプトカーなども積極的に展示しており、地域性の強いモーターショーにありがちなトレードショー的な要素はほとんどない。
トヨタやメルセデスベンツ、VWなど20台規模の展示をおこなう大きなブースでも通路は人々で溢れかえった。小中学生らのグループも多く、普段あまり見かけることのない高級輸入車を前に写真撮影や熱心な試乗を楽しんでいた。
輸入車に対する関心・購買意欲は年々高まってきており、高級ミドルセダンクラスではメルセデスベンツ、BMWの販売台数がヒュンダイを超えたと報じられている。大宇を廃止し、新たにシボレーブランドを投入するGMの現地販売担当は、「購入後にわざわざ数百ドルを払ってまで大宇のエンブレムをシボレーに変える人たちが多かった」とも語っており、世界共通のブランドであることが今後の韓国市場の購買意欲につながる可能性も高い。
韓国市場は、キアを含むヒュンダイグループが約8割の販売を占める。次いでGMが約1割、残りの1割を日欧米メーカーがシェアする。韓国は、輸出を含めた自動車生産台数が昨年は427万台に達した。いっぽうで国内販売については146万台規模と決して大きなマーケットではない。しかし輸入車人気を足がかりに、さらなる販売台数の拡大につながる可能性も決して低くはないだろう。欧米メーカーは積極的な参加を続け、自動車の魅力をアピールしていく。
韓国市場の熱気を感じることができるソウルモーターショー2011は、4月10日まで開催。来場者数は100万人をめざす。