2011年5月、英国を訪問した米国のオバマ大統領。ロンドン市からロードプライシング(渋滞緩和のための通行料)を支払うよう求められている問題について、新展開があった。
事の発端は、ロンドンのボリス・ジョンソン市長が「オバマ大統領の車列にも、ロードプライシングを課すべき」と発言したこと。ロンドン市は渋滞対策として、市内中心部に乗り入れる車に対して、1台10ポンド(約1280円)のロードプライシングを課している。
今年5月、オバマ大統領はロンドンを訪問したが、ジョンソン市長の発言を受けて、ロンドン市は米国政府に、オバマ大統領の車列のロードプライシング分を請求。ところが米政府は、外交上の規定を定めたウィーン条約を盾に、この支払いを拒否しているのだ。
19日、英国の『London Evening Standard』が報じたところによると、ロンドン市当局は、今年5月のオバマ大統領訪問時に撮影された監視カメラの映像を分析。すると、大統領の車列がオバマ大統領の乗るリムジンのナンバープレートが読み取れないように、意図的に車間を詰めて走行した疑いが濃くなったという。
ロンドン市はこれを、悪質なロードプライシングの課金逃れと判断。米国政府に120ポンド(約1万5000円)のペナルティを課すことを決めたとのことだ。
米国の大統領とはいえ、例外は認めない姿勢を示したロンドン市。この背景には、米国の外交官車両が2003年の制度施行以来、累計500万ポンド(6億4000万円)以上のロードプライシングを支払っていないことへの不満があるようだ。果たして、米政府の反応は?!