【CEATEC 11】ムラタセイサク君を実生活に

自動車 ビジネス 国内マーケット
同社の技術PR用として一躍有名になった自転車型ロボット「ムラタセイサク君」
同社の技術PR用として一躍有名になった自転車型ロボット「ムラタセイサク君」 全 6 枚 拡大写真

 CEATEC JAPAN 2011の村田製作所ブースでは、あの有名な自転車型ロボット「ムラタセイサク君」と一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」で培った倒立振子制御技術を「電動歩行アシストカー」に応用した展示が行われていた。

 本機は、同社の組織横断型新規事業創出活動「MIRAI活動」(組織の枠にとらわれず、さまざまな部門の有志が集まって、新規事業の種を見つける活動)のアイデアから生まれたものだという。

 参考展示されていた電動歩行アシストカーは、 ロボット自身が傾きを検知し、倒れる方向へ移動することで、バランスを制御して転倒を防ぐ「倒立振子」の制御技術を応用したものだ。「ムラタセイサク君」「ムラタセイコちゃん」の場合は、本技術に加えて、横方向(左右)からも倒れないようにする「リアクションホイール」が付いているが、本機にはこのような部品は付いていない。同社の久保昌幸氏(技術・事業開発本部)は、「ムラタセイサク君セイコちゃんよりも技術的には簡単なものです。今回の参考出展は、我々の技術を単にPRするだけでなく、実際にヒトに対しても使える技術になるように開発したものです」と語る。

 本機に内蔵されているジャイロセンサー(傾きや曲がりの変化を検知。カメラの手ぶれ補正やカーナビの方向検知などに使われる )で傾きを検知し、先読み動作によって駆動系をうまく制御することで常にバランスを保ちながら、利用者の転倒を防止する形だ。センサー類など各種電子デバイスのほとんどは、同社の製品を使っているという。

 さらにこの制御方式を使うと、電動モーターで力を補助する「パワーアシスト」の機能も利用できる。本体を軽く押す、あるいは引くだけで、簡単に前進や後進に動き出す。そのため荷物の運搬や上り坂歩行時の補助が可能になる。たとえば足腰の弱いお年寄りのための福祉用具としてシルバーカーに使ったり、ベビーカーやショッピングカートなど重い物を運搬するようなシーンでの活用が期待できるという。

 久保氏は「まだ試作機なので、パワーも搭載できる容量もそれほど大きくはりありませんが、将来的に10kgから20kgぐらいの物を載せて運べるようにしたい」と抱負を述べた。同社では、これからもムラタセイサク君やムラタセイコちゃんで培った技術を「ヒト」の役に立つ技術へ応用・展開していく方針だ。

【CEATEC 2011(Vol.16)】ムラタセイサク君の技術を電動歩行アシストカーに応用……村田製作所

《井上猛雄@RBB TODAY》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  2. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  3. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  4. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  5. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  6. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  7. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  8. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  9. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  10. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
ランキングをもっと見る