ホンダのヒューマノイドロボット『ASIMO』の技術が二輪車レースの最高峰、MotoGPマシンに搭載---。ホンダは7日、新型ASIMOやその技術を応用した製品や試作機を発表、そのうちのひとつとして今季のMotoGPシリーズに実戦配備された姿勢角センサーも公開された。
この姿勢角センサーはASIMOのバランス制御技術を応用して独自開発したもので、モトGPマシンのフロントカウル内側に搭載されている。
ホンダ・レーシング(HRC)の高橋正典氏はセンサーの特徴について「MotoGPマシンの急旋回に伴う遠心力や、エンジンからやってくる過大な振動を受けるような過酷な条件下であっても、高精度、高応答のロール角、ピッチ角推定を実現したこと」と説明。
この結果、「センサーからやってくる各種姿勢データをもとにエンジン出力を最適にコントロールすることができるようになり、マシン性能が大幅に向上すると同時に安全性も向上した」という。
ホンダは今季のMotoGP全17戦中13勝をあげ、ライダー、コンストラクター、チームの3タイトルを獲得したが、高橋氏は「ASIMO技術を応用した姿勢角センサーが今年3タイトル獲得に貢献したことは間違いないと確信している」と胸を張った。