日産自動車の田川丈二執行役員は8日の決算発表の席上、国内生産車両への輸入部品の採用について、「足元の円高を考えると(採用拡大計画を)早める必要がある」との考えを示した。
日産は、中期経営計画推進の一環として日本での輸入部品の採用比率を2013年をめどに4割程度に引き上げる方針を打ち出している。09年時点では2割程度だったので、この間に倍増させる計画だが、そのペースを加速させる。
自動車各社は、史上最高値の円高水準が膠着状態となっていることから、収益への直撃を受けている。日産は1ドル1円の円高が進むと、年間で200億円の連結営業利益押し下げる要因となる。
すでに今期は、第3四半期累計で約1500億円の減益要因となっており、一部車種の海外移転計画など円高抵抗力を強める施策を急いでいる。