迷宮から抜け出した真のレクサスと巡り合えた。「レクサスとして勝負すべき舞台がどこなのか、さらにその奥行はどれほどか? 新型の開発を進めるに従い、それが明確になりました」とレクサス車両実験統括部の伊藤俊則氏は語る。
「本当のスタートラインに立てた印象です」(伊藤氏)との言葉通り、ベースグレードである「250」に乗るだけで、これからのレクサスが目指す走りの味わいをしっかりと感じ取ることができる。リヤサスの強烈な踏ん張りによる安定感と、タイヤのグリップ力だけに頼らないノーズがグッと入り込む素直な特性に迷いはない。
2.5リットルと3.5リットルのほか、FR/AWD、さらには標準グレードから「Fスポーツ」まで豊富なバリエーションを誇る新型『GS』だが、足回りの設定はひとつに絞り込まれた。また、従来のGSではパワーや重量差による偏差に対し、整合性をとるために可変ダンパーを採用していたが、新型ではグレードによる走りの方向性をより明確にするため9段階の減衰力特性をもった可変ダンパー(AVS)が与えられた。
ベストチョイスは「250Fスポーツ」でドライブセレクトモードは「S」。専用フロントマスクがアグレッシブ過ぎるというならば、2.5リットルバージョンLがいい。モードを「S+」にすれば250Fスポーツに近い味わいとなる一方、モードを「ノーマル」や「エコ」にすれば後席快適性は確実に2ランクアップする。
西村直人|交通コメンテーター
クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)会員、全日本交通安全協会東京二輪車安全運転推進委員会指導員、日本イラストレーション(JILLA)協会監事