フィンランドのバルメットオートモーティブは6日、スイスで開幕したジュネーブモーターショー12に、EVコンセプトカーの『DAWN』を出品した。
バルメット社は、1951年にフィンランド政府によって設立された。第2次世界大戦で旧ソビエト連邦に敗れたフィンランドは、ソ連への戦争賠償のため、さまざまな工業製品を生産する必要に迫られた。そのため国内の重工業メーカーを束ねて、バルメット社を結成した。
その自動車部門が、バルメットオートモーティブである。古くはスウェーデンのサーブから、サーブ『90』や『900カブリオレ』を受託生産。最近では1997年から、ポルシェから『ボクスター』の生産の一部を受託している。自動車メーカーから独立した立場で、一部車種の受託生産を行うのが、同社の大きなビジネスの柱である。
その一方で、バルメットオートモーティブはEVパワートレインの開発など、高い技術力も有する。その能力をアピールする目的でジュネーブモーターショー12に出品したのが、DAWNだ。
DAWNの特徴は、斬新なデザイン。オープンボディのレーシングカー風、地面付近までカウルで覆われた独特のもの。タイヤ部分もカバーで覆われており、その中身を窺い知ることは出来ない。
その一方で、同社が開発したEVパワートレインは、あえて目に付く場所にレイアウト。モーターやバッテリー(二次電池)、コントロールモジュールなどは、来場者が見やすいように、車体上部に配置されている。