日産自動車がエンジンを供給し、米国のデルタウイング社と共同で2012年6月のルマン24時間耐久レースに参戦して注目された次世代レーシングカー、日産『デルタウイング』。同車が初めて、レースで完走を果たした。
これは10月21日(日本時間)、米国のロードアトランタで開催されたALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)最終戦での出来事。6月のルマンでは不運なリタイアを喫した日産デルタウイングが、初めて完走し、5位という結果を残したのだ。
今回のレースでは、10月17日の練習走行初日、日産デルタウイングにGTCクラスのポルシェ『911』が接触。デルタウイングは横転し、壁に激突。大きなダメージを負った。
その後、デルタウイングはレース本戦に間に合わせるため、徹夜で修復作業を敢行。その結果、横転クラッシュから24時間以内という速さで、マシンは元の姿に戻った。10月19日の予選では、総合10位のタイムを記録している。
ところが、10月20日のレース本戦、日産デルタウイングは最後尾の42番手からのスタートを宣告される。これは主催者が、レギューレーションに従って決めたもので、「日産デルタウイングはどのクラスにも属していないエントリー」というのが理由とされた。
そして、10月20日のレース本戦。スタート直後に日産デルタウイングは、42番手から一気に8位へ順位を上げるという驚異的な走りを披露。1000マイル(約1600km)を無事に完走し、見事に5位という結果を残した。
度重なる試練を経て、5位という結果を残した日産デルタウイング。日産は、「我々のミッションは完遂された」とコメントしている。