国土交通省中部運輸局は1月28日、名古屋臨海高速鉄道が申請していた事業基本計画の変更を1月18日付けで認可したと発表した。2月16・17日に実施される蒸気機関車けん引列車(SL列車)の実験運転に伴う、鉄道事業法上の手続き。
同社が運営している西名古屋港線(愛称「あおなみ線」)は、名古屋~金城ふ頭間15.2キロの全線が直流1500Vで電化されており、旅客列車は4両編成の1000形電車で運転されている。また、名古屋~荒子(名古屋貨物ターミナル)間4.3キロではJR貨物が名古屋臨海高速鉄道から線路を借りて貨物列車を運転しており、電気機関車のほかディーゼル機関車も同線に乗り入れている。このため、事業基本計画上の動力は、名古屋~荒子間が電気と内燃の併用、荒子~金城ふ頭間が電気とされていた。
しかし、あおなみ線の活性化策としてSL列車を運転することになったことから、同線の事業基本計画を変更する必要が生じ、名古屋臨海高速鉄道は名古屋~荒子間の動力として蒸気を追加する申請を行っていた。
今回の認可により、あおなみ線は名古屋~荒子(名古屋貨物ターミナル)間のみ蒸気機関車の運転が可能となった。SL列車の愛称は『SLあおなみ号』で、2月16・17日に運転する予定。両日とも3往復で、名古屋駅を9時50分、11時37分、13時22分に発車し、名古屋貨物ターミナル駅で折り返して名古屋駅に戻る。名古屋貨物ターミナル駅では蒸気機関車の転回ができないことから、12系客車3両編成の名古屋貨物ターミナル方に蒸気機関車(C56形)、名古屋方にディーゼル機関車(DE10形)を連結する。このため、名古屋発の往路は蒸気機関車が先頭に立つが、復路はディーゼル機関車が先頭になる。
1往復の所要時間は約1時間25~28分。『SLあおなみ号』試乗者の募集は終了しているが、ささしまライブ24地区(あおなみ線ささしまライブ駅から徒歩1分)と九重地区(近鉄名古屋線黄金駅から徒歩5分)に観覧場所が設けられる。