古屋圭司国家公安委員長の交通取締りの見直し発言は、規制速度を何キロ超えたら取り締まられるのかという反論に押しつぶされそうになっている。
6月4日、7日の両日にわたる閣議後会見で繰り返される質問に、険しい表情で古屋氏は答えた。
「そういう誤解がないように、正しく報道していただくのが、マスコミの責任だと思う」
きっかけとなった古屋氏の4日の発言は以下。
「片側2車線で、真っすぐな道。歩行者が出てくる危険性もない。そこは制限速度が50km/hなので、まあ、70km/hぐらい出ますよね、交通の流れに逆らわないように行くと。そうすると、20km/h以上出てると、取り締まりの対象になりますよね。そういうところはちょっとどうかなと、わたし、いつも疑問に思ってましたし」
規制速度は、地元警察が道路環境によって提案し、それを各都道府県公安委員会が決定する。国家公安委員会は、そうした警察行政全般を管理する立場にある。その委員長が取締りについて疑問を抱いたのである。
そのため、古屋氏が目論んだ「取り締まりのあり方を抜本的に見直していく」という趣旨はかすみがちだった。規制速度は守るべきではないかという正論に、防戦を迫られる結果となった。
「国会でも現場の警察が地域に説明をするときにも、50km/hを1km/hでも超過したら違反なんですかということに対しては、そうではありません、全体の流れに従ってやっているときには、特にそうではありませんという趣旨のことをはっきり言っている」
古屋氏は、政治家は国民に理解しやすい説明をするのが使命で、4日の発言はその一環だったと強調。さらに、国家公安委員会に問い合わせはないかという質問にも、こう語った。
「公安委員会事務局への問い合わせは、報告を受けていないのでわからない。ただ、私のメールとかブログ、フェイスブックには多く意見が来ている。そのほとんどは激励、しっかり見直してくださいというものです。数千通きてます」