ホンダから発売された新型『アコード』のインテリアは、広さ感に最も気を使ってデザインされたという。
本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオ研究員の重原裕樹さんは一例として、リアシートのヒップポイント(着座位置)の位置があると話す。通常リアシートはフロントシートよりもヒップポイントを高く設定し、前方の視野を遮るフロントシートのヘッドレストをクリアしている。しかし、新型アコードは空力の関係もあり、Cピラー付近のルーフを抑えたため、リアシートのヒップポイントを上げることが出来なかった。そこで、「リアシートのヒップポイントを中央寄りにすることにより、フロントシート間から視界が前方に抜けるようにし、開放感を得られるようにしました」と話す。
シート以外にも、「ホンダ車は基本的にベルトラインが低いので、サイドの開放感はあります。また、インパネ周りも横基調にして、横への広がりを出せるように造形しました」と述べる。
そのインパネ周りは、ホンダのインターフェイスの基本にある、“瞬間認知、直感操作”を継承し、あてはめた。重原さんは、「シンプルでクリーンでありたいと思ってデザインしました。あまり華美にしないよう、ユーザーの(視線に対して)ノイズにならないようにということは心がけています」と語った。