新型『フィット』のなかで唯一1.5リットルの直噴エンジンを搭載するモデルがRS。
最大の魅力はRSにのみ採用される6MTだと言ってもいい。日本車からはどんどん設定がなくなってしまっている、クラッチペダル付きのコンベンショナルなマニュアルミッションだ。
まず、ミッションの入りがいい。FFなのでおそらくワイヤーコントロールだが、ストロークが短く、クイックでカチッと決まる。クラッチの踏力も適度で扱いやすい。試乗はテストコースで行われたため、激しい操作は行っていないが、たとえばジムカーナにおけるサイドブレーキターンなどクラッチを断続しつつ走るには、クラッチペダルの存在は絶対に必要。2ペダルMTもいいが、3ペダルMTには3ペダルMTでしかできない芸当もある。
エンジンは最高出力が132馬力でハイブリッドのシステム出力137馬力に届かない。数値だけでうんぬん言えることではないが、乗ってみても差が小さいのが少し残念だ。ハイブリッドとは違った素直な特性…と書きたいところだがハイブリッドの性能がよくその差も小さい。重量差によるハンドリングの違いもあるにはあるが、さほど大きくはない。
ただし、RSの場合はブレーキが4輪ディスクになるので、ハイブリッドに見られた初期制動時の過敏なフィールはなく、足を軽く乗せたときからフル制動まで、どの領域も扱いやすい。