【マクラーレン P1 技術ワークショップ】エンジン+モーターで916馬力…PHVスーパースポーツのベストバランス

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マクラーレン『P1』は、PHVのメカニズムを持つスーパースポーツだ。

P1に前後して、ポルシェからは『918スパイダー』が、またフェラーリからは『ラ・フェラーリ』といったハイブリッド・スーパースポーツのセールスがスタートする予定。この中でPHVとして設計され、ゼロエミッションのEV走行を可能とするのは、918スパイダーとP1の両モデルとなる。

3.8リットルのV型8気筒DOHCツインターボ、モーターからのトルクを入力するためブロック構造変更

P1のミッドに搭載されるエンジンは、3.8リットルのV型8気筒DOHCツインターボで、この基本的なスペックは、『MP4-12C』シリーズのそれに等しい。だがマクラーレンが、P1用のそれを「M838TQ」型、一方のMP4-12C用を「M838T」型と呼称していることからも想像できるように、この両エンジンはまったくの別物と考えられている。P1用のM838TQ型では、エレクトリックモーターからのトルクを入力するために、ブロックの構造が変更され、それに伴って強度設計やクーリングなど、広範囲にわたって、新たなエンジニアリングが展開されたという。ミッションは7速DCTを、MP4-12Cと同様に使用する。

2基のターボチャージャーも、P1のためのスペシャルだ。最大過給圧はMP4-12Cが2.2バールを設定したのに対して、P1は2.4バール。タービンもさらに大型化されているが、マクラーレンはそれによるターボラグを解消するために、組み合わされるエレクトリックモーターの特性を活用している。

回転直後から最大トルクを発揮するエレクトリックモーターで、過給が立ち上がるまでの領域をサポート。結果的に、アクセルというドライバーのリクエストに応じて、リニア=忠実に、そしてインスタント=瞬時にトルクを得ることができた。

26kgのコンパクトモーターは179馬力&130Nm

このエレクトリックモーターは、サイズが400×250×200mm。ウエイトも26kgに抑えられた、きわめてコンパクトなものだ。最高出力&最大トルクは、179馬力&130Nm。トルクはギアボックスでさらに2倍に増強され、最大260Nmが得られることになる。エレクトリックモーターは、走行状況に応じてエンジンをサポート、もしくはフルEV走行のために駆動力を生み出すが、ドライバーはステアリング上の「IPAS」スイッチをプッシュすることで、その性能を最大効率で運動性能のために利用できる。参考までにシステム全体での最高出力は、ガソリンエンジンの737馬力を加えた、916馬力という数字だ。

P1に設定される走行モードは、「Eモード」、「ノーマル」、「スポーツ」、「トラック」、「レース」の各々。EモードでのフルEV走行は10km以上を可能にするとマクラーレンは主張する。バッテリー残量がゼロになった場合には、Eモードスイッチの隣にレイアウトされる「チャージ」スイッチをプッシュすることで、エンジンの動力を利用した、約10分でのフルチャージを行うことが可能となっている。

リチウムイオンバッテリーのトータルの容量は4.7kWh…PHVスーパースポーツのベストバランス

コックピットの背後に搭載されるリチウムイオンバッテリーは、イギリスのジョンソン・マーゼイ社から、「Axeon」のブランドで供給されるもので、マクラーレンはそれを「ESS=エナジー・ストレージ・システム」と呼ぶ。324個のセルは6つのセルモジュールに格納され、トータルの容量は4.7kWh。この容量を拡大すれば、さらにEV走行のレンジは増えるが、ここにマクラーレンはPHVスーパースポーツのベストバランスを見出したということになる。

システムコントロールは、リカルド・バッテリー・マネージメント社によるもの。リキッドフローなどの温度管理には、最新のCFDシミュレーターも活用されたという。また現在のF1マシンと同様に、曙ブレーキがサプライヤーとなるP1のブレーキは、エネルギー回生の機能を持たないが、これはブレーキフィールの違和感が解消できなかったことが第一の理由だと、マクラーレンは説明している。

《山崎 元裕》

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