大幅な改良を受けた『Eクラス』のベースグレードとなるE250とE250アバンギャルドには、新開発の直列4気筒2.0リッターの直噴ターボ仕様エンジンが搭載されている。
このエンジンにはいろいろな新技術が盛り込まれ、世界で初めて成層燃焼リーンバーンとターボチャージャー、排ガス再循環装置(EGR)の組み合わせを実現した。
これらの燃焼制御技術に加え、ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を採用することで、従来のE250に対して動力性能が燃費を向上している。
最高出力の155kWは従来モデルに比べ+5kWだが、最大トルクの350N・mは+40N・mと大幅な向上だ。また燃費も従来に比べ約23%向上してリッター15.5kmを達成した。これによってエコカー減税は免税扱いになる。
E250アバンギャルドを走らせると、これで十分といった印象を持つ。Eクラスには更にパワフルなエンジンが搭載されていて、上にはいろいろあるが、このエンジンの350N・mのトルクはEクラスのボディに対して十分に見合ったものといえる。
7Gトロニック+の変速フィールは相変わらず滑らかそのもの。市街地などでは何速のギアを使って走っているのかが分からないという不満点はあるものの、変速を感じさせないくらいに滑らかに走ってくれる。
E250はフロントグリルにスリー・ポインテッド・スターのないエレガンス系のデザインとなる。個人的にはこちらの方が好みだが、人気が高いのはアバンギャルド系のデザインだし、安全装備がオプション設定になるので、買うならE250アバンギャルドにならざるを得ない。
最新の安全装備を標準で備えたE250アバンギャルドが655万円というのは、絶対的には安くはないが、装備や仕様とメルセデス・ベンツのブランド力を考えたら、リーズナブルなものといえる。
V型6気筒エンジンにこだわりがあるというユーザーでなければE250で十分だ。というか、今回のマイナーチェンジを受けたEクラスで最もお勧めできるのがE250アバンギャルドである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。