銚子電鉄、車両不足で大幅減便のダイヤ改正…11月21日

鉄道 企業動向
銚子電鉄のデハ1000形(デハ1001)。同社の車両が相次いで検査期限を迎え車両が不足することから、11月に大幅減便のダイヤ改正が行われる。
銚子電鉄のデハ1000形(デハ1001)。同社の車両が相次いで検査期限を迎え車両が不足することから、11月に大幅減便のダイヤ改正が行われる。 全 2 枚 拡大写真

銚子電気鉄道はこのほど、銚子電気鉄道線のダイヤ改正を11月21日に実施すると発表した。経営の悪化による車両不足から運行本数を大幅に減らす。

銚子電鉄線は、千葉県銚子市内の銚子~外川間6.4kmを結ぶ単線・電化の鉄道路線。運行本数は1日33往復で、1時間あたりではおおむね2本となっている。早朝と深夜の列車を除き、中間の笠上黒生駅で上下列車の交換を行っている。

しかし、現在運用している車両の一部が、自動車の車検に相当する検査の期限を相次いで迎えており、検査期間中の代替車両も経営の悪化で確保できない状態となっていることから、大幅な減便を行うことにした。

ダイヤ改正後は日中と夜間の列車を減らして1時間あたり1本程度とし、全体では12往復減少の1日21往復となる。笠上黒生駅での列車交換も朝ラッシュ時を除き行われなくなる。

銚子電鉄は利用者の減少などによる経営難が続いており、ぬれせんべいの販売など副業で鉄道部門の赤字を穴埋めしている。2006年には元社長が横領事件で逮捕されたこともあり、経営がさらに悪化。車両検査の費用を捻出できず、運行が困難な事態に直面した。

こうしたことから同社は同年11月、経営の窮状を訴える文書を自社ウェブサイトに掲載した。これがインターネットを中心に大きな話題となり、ぬれせんべいの売り上げが伸びたほか民間団体による支援も活発化。これにより検査費用の確保と老朽化した施設の更新などを行った。話題となったことで観光客も増加し、2005年度の輸送人員が約65万人だったのに対し、2006年度は約71万人、2007年度は約83万人と大幅に増加している。

しかし、2008年度以降は再び減少に転じ、2011年度は東日本大震災の影響もあって約48万人と、利用者が増加する直前の2005年度の水準を下回っている。このため銚子電鉄は2013年2月、自主再建の断念を発表。現在は上下分離方式の導入による再建を目指している。

《草町義和》

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