国立環境研究所は、直噴ガソリン自動車から高濃度の粒子状物質(PM2.5)が排出されることを確認したと発表した。
同研究所が、欧州自動車メーカーと日系自動車メーカーの直噴ガソリン乗用車各1台づつの排出ガスを調査した結果、粒子重量は少ないものの、粒子個数の排出量は従来のガソリン車(ポート噴射ガソリン車)の10倍以上だった。
また、粒子の化学組成を調べたところ、重量の大半はスス(元素状炭素)であることが判明した。
直噴ガソリン車は、燃費が良いため、ここ数年間で急速に普及しつつあるものの、微粒子の排出状況についての情報が不足していた。
日本では自動車から排出される粒子個数についての規制は無いが、欧州では直噴ガソリン車に対する粒子個数の排出規制が2014年に開始される予定。
同研究所では、今回明らかになった調査結果をもとに、最近の直噴ガソリン車について詳細な排出実態調査や環境影響評価、追加的な排気対策の必要性など、環境影響の未然防止の観点から、様々な研究や対策が早急に求められると指摘している。