ホンダが12月19日に発表した『ヴェゼル』は、今年9月に国内投入した新型『フィット』シリーズの展開モデルでもある。もっとも、ホイールベースやトレッドはフィットより大きく、同じプラットフォーム(車台)でありながら、縛られることなく開発した経緯がうかがえる。
開発責任者である本田技術研究所四輪R&Dセンターの板井義春主任研究員は、「ケタ違いに魅力的なクルマにしよう」と取り組んだというだけに、「プラットフォームという枠にとらわれない共用化を行ったので、ヴェゼルの専用部分は多い」と話す。
枠にとらわれない部品の共用化とは、フィットのみならず、量産効果の高い同社のグローバルカーの部品とも共用化を図るやり方だという。たとえば、フロントサスペンションには新型アコードにも採用した「振幅感応型ダンパー」という最新で高級な技術を取り入れ、共用化も実現した。
板井氏によると、そうしたフィットを含む他モデルとの共用化部品は「半分程度」という。フィットをベースとしながら、サイズやジャンルの異なるモデルならではの「新たな共用化」を模索したようだ。