『レガシィ ツーリングワゴン』の後継モデルとして登場した『レヴォーグ』は、走りのDNAもしっかりと受け継いでいた。
初代レガシィが登場した当時、ステーションワゴンは走りをそれほど大きく意識したモデルは存在していなかった。そこにレガシィという走りのワゴンがデビュー、スポーツワゴンというジャンルが一気に開花し、ブームとなった。
そのレガシィツーリングワゴンの後継モデルとして導入されるレヴォーグは、レガシィのDNAをみごとに受け継ぎ、走りのモデルとしての資質を生かしたクルマに仕上げられていた。
2リットル直噴ターボで300馬力という、ちょっとやり過ぎ感もあるハイパワーエンジンが搭載された2.0GTは、ツインリンクもてぎの本コースでも十分に満足できるパワー感を示してくれた。アクセルを踏み込んだときに後ろに引っ張られるようなターボエンジンならではの力感にはワクワクさせられる。
2リットルモデルはCVTにステップ制御がプラスされているので、マニュアルミッションのような段差がある変速感を楽しめる。現在はこれがスバルとしては精一杯のユーザーサービスなのだろうが、ぜひもう一歩、デュアルクラッチ式MTベースのATなどの導入も早めに行ってほしい。エンジンの素性がいいだけに、その期待はなおさら高まるというものだ。
試乗車はビルシュタインダンパーが装着されているモデルであった。ノーマルダンパー仕様にも試乗したが、ビルシュタイン仕様のほうが乗り心地もいい。もちろんダンピングがしっかりとしているので、コーナリングの安定感も高い。
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。