元祖国産ビッグミニバンである日産エルグランドがマイナーチェンジされ、内外装をリフレッシュするとともに使い勝手をアップした。
今回のマイナーチェンジのもっとも大きなポイントは、グリルの大型を伴うエクステリアのリフレッシュ。新しいデザインのグリルは、国産乗用系では最大面積を誇るものとなった。このグリルがもたらす威圧感は相当のものらしい。というのも、高速道路の追い越し車線で先行車に追いつくと、次々と道を譲るのだ。こちらが猛スピードで追いついているのではなく、ゆっくりと近づいているのにどんどんクルマがよけていく。これほどまでにクルマがよけるのはあまりないことだった。
試乗車は2.5リットルの4気筒モデルで、最高出力は170馬力。組み合わされるミッションはCVTだ。重量級のLクラスミニバンだと少々力不足を想像するかもしれないが、じつはこれがけっこういい。上位には3.5リットルモデルがあり、それがよりパワフルで余裕の走りができるのは当たり前だが、その余裕と引き替えに燃費は約10%減となり、燃料はプレミアム指定となる。燃料代など気にしないという方はさておき、ランニングコストに興味があるなら2.5リットルモデルが賢い選択だ。
今回のマイナーチェンジでは、サードシートが左右分割で240mmのスライドが追加装備された。従来モデルはサードシートを収納しないとゴルフバッグの搭載ができなかったが、このマイナーチェンジによってサードシート使用時もゴルフバッグなどの荷物が搭載できるようになった。
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。