ナビタイムは、東京・お台場で開催中の「第5回国際自動車通信技術展」において、Android OSを搭載した車載向けナビアプリ用デバイスを参考出品した。自社開発のカーナビを用意していないメーカー向けに開発したもので、発売時期や価格はは今のところ未定。
このナビシステムに組み込まれているアプリは、スマホ用として開発された「カーナビタイム」がベース。デバイスは無線LANに対応し、スマホのテザリングやモバイルルーターと組み合わせて使うことを想定している。「カーナビタイム」と同様、ローカルで地図データを持ったことで通信環境に左右されない利用ができ、測位はGPS以外にデバイス内に組み込まれたジャイロセンサーや車速パルスも併用するため、高精度な利用が可能になる。
交通情報は通信によってもたらされ、プローブによる高精度なルート探索も実現。アプリのアップデートも可能になる他、ガソリン価格情報や駐車場の満空情報など、ナビタイムがこれまで提供してきたコンテンツも提供可能となる。
デバイス自体は、外観を見ただけでは2DINサイズのカーナビとほとんど同じで、これがAndroid OSを使ったナビアプリを使用しているようには見えない。一方、メニューはカーナビタイムで馴染みのあるデザインで、操作系は長年の実績に基づいたわかりやすさを感じさせるだ。動作自体は多少もたつきを感じたが、デバイスが試作機であることを踏まえれば仕方がないところだろう。なお、ナビタイムが担当しているのはアプリの部分で、デバイス自体は別のメーカーが開発している。
Android OSを採用したことで、アプリのダウンロードによって多彩な機能を持たせることは可能。インターネットラジオや音声認識エンジンなどを搭載すれば、より車載機として楽しめる幅は広がってくる。その意味では、いわゆる“ディスプレイオーディオ”的な使い方ができるわけで、使いやすさは画面の小さいスマートフォンで使うよりはるかに上。展示デバイスは造りに多少チープ感が漂っていたが、それはあくまで試作機としての造り込み故のこと。低コストでカーナビを導入したいとするユーザーにとって魅力的なデバイスとなることだろう。