JR東日本水戸支社はこのほど、津波などの災害発生時に列車の乗客や乗務員が安全に避難できるよう、乗務員用のタブレット端末に最寄りの避難所と経路を表示する「津波避難誘導システム」を開発したと発表した。5月以降の使用開始を予定している。
システムは東日本大震災を教訓として開発。乗務員が携帯するタブレット端末のGPS位置情報を基に、現在位置や避難場所、最寄りの踏切から避難場所までの経路と周辺写真、方位などのほか、津波による浸水の恐れがあるエリアと津波注意区間を表示する。
方位は端末のセンサーにより、画面上のコンパスで確認可能。通信回線が停止した場合でも、GPSの位置情報で最寄りの避難経路を表示する。避難時には端末の位置情報が軌跡を描いて移動し、避難状況を対策本部でも確認できる。
同支社によると、3月11日に行われた東日本大震災を想定した訓練では、端末を使った避難誘導訓練を実施し、システムの有効性を確認したという。
水戸支社管内では、常磐線の広野~原ノ町間と相馬~新地(不通区間は仙台支社管内の浜吉田まで)間が、東日本大震災による被害で運休が続いている。