気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年4月10日付
●小保方氏論文撤回を拒否、「200回作製」証拠示さず、STAP問題記者会見(読売・1面)
●639万台リコール、トヨタ部品共通化裏目(読売・8面)
●ガソリン164.2円、5週連続値上がり(読売・8面)
●円高101円台東証307円安 (毎日・6面)
●プラグインHV中国生産、アウディ、第一汽車と16年にも (日経・9面)
●トラック、アフリカ開拓、三菱ふそう、専用車5か国で、いすゞ南部で1万台販売 (日経・12面)
●トヨタ、中国で200万台、2025年メドに販売倍増 (日経・13面)
●私の履歴書,豊田章一郎、特殊研究(日経・36面)
ひとくちコメント
ダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタ自動車グループの2013年度(13年4月~14年3月)の世界販売台数が、初めて1000万台を超える見通しだという。4月9日の朝刊で東京が報じたのに次いで、朝日が同日夕刊、きょうも毎日、日経などが取り上げている。
1年間の販売台数が1000万台を超えるのは、世界の自動車メーカーとしてトヨタが初めてとなる。ただ、各紙の見出しは「トヨタ、世界販売1000万台」と台数を掲載しただけで「世界一」の活字は見当たらない。トヨタの豊田章男社長は4月1日の入社式で「販売世界一とか、過去最高益などトヨタをもてはやす記事が多いと思うが、自分たちが一番といったおごりや慢心がないか常に顧みる必要がある」と述べたばかり。
もっとも、きょうの紙面には「おごりや慢心」を戒めるような記事も同時に掲載されている。トヨタが13車種計約108万500台のリコールを国土交通省に届けたからだ。輸出や海外生産分を合わせたリコール対象は27車種計約639万台を上るという大規模リコールだ。
リコール対象の車種も、乗用車の『ヴィッツ』『ラクティス』『ベルタ』『イスト』の4車種が運転座席の位置を前後に調整するスライドのばねが強度不足で破損し、走行中に座席が動く恐れがあるとしている。また、『RAV4』『ヴァンガード』『マークX』の3車種は設計ミスでエアバッグが作動しない恐れがある。さらに、ポルテなど7車種では、エンジンを始動させるモーターが電気系統の不具合で回転し続け、出火する事故が起きたという。
日経は「車、大規模リコール時代」とのタイトルで、各社がグローバル競争の中で、「部品の共通化に取り組んでいることが一因」と解説。また、トヨタについては毎日が「リコールへの積極姿勢も件数を押し上げている」と指摘。豊田社長が「自動車の安心、安全につなげるためのもの。悪と考えてほしくない」とのコメントも紹介している。
不具合を発見しても隠蔽や届け出を遅らしたことで大事故につながる悪質なケースは論外としても、些細なことでもリコールを頻発するようではブラント自体の信頼を失いかねない。