東武、野田線急行運転に向け設備改修…2014年度投資計画

鉄道 企業動向
東武鉄道は本年度の設備投資計画を発表。アーバンパークラインで60000系の導入を引き続き進めるほか、急行運転の実施に向けた設備改修も行う。
東武鉄道は本年度の設備投資計画を発表。アーバンパークラインで60000系の導入を引き続き進めるほか、急行運転の実施に向けた設備改修も行う。 全 8 枚 拡大写真

東武鉄道は4月30日、鉄道事業における2014年度の設備投資計画を発表した。野田線(東武アーバンパークライン)の急行運転実施に向けた設備改修のほか新型車両の増備、可動式ホーム柵(ホームドア)の設置など、総額322億円の設備投資を行う。

安全対策では、運行管理システムの導入や保安装置の更新などを実施。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と日光線では、本年度中の使用開始を目指して本線運行管理システムの導入工事を推進する。この工事が完成すると、全線で信号制御の集中化と列車位置情報の集約が図られ、安定輸送の確保と詳細な運行情報の提供を図ることができるという。

東上線では、現行の自動列車停止装置(ATS)に代わる自動列車制御装置(ATC)の導入工事を推進。川越市~小川町間を第1期として本年度に使用を開始し、2015年度の池袋~小川町間の工事完成を目指す。東武によると、同社のATCは車上・地上間情報伝送装置から取得した列車間距離や勾配などの線路情報により、スムーズな速度制御を実現。また、踏切支障時の防護機能や停車駅の定位置停止装置・誤通過防止などの拡張性も持たせる。

このほか、アーバンパークラインの柏駅にホームドアを設置し、2015年春からの使用開始を目指す。東上線でもホームドアの設置に向けて車両関係の工事に着手。和光市駅と川越駅の詳細設計も実施する。内方線付き点状ブロックは本年度、スカイツリーライン4駅と日光線1駅、アーバンパークライン7駅、東上線5駅の計17駅で整備を推進する。

連続立体交差事業(連立事業)はスカイツリーライン竹ノ塚駅付近とアーバンパークライン清水公園~梅郷間、伊勢崎線伊勢崎駅付近で引き続き実施する。竹ノ塚駅付近は本年度、下り急行線の高架橋本体工事に着手し、2020年度の事業完成を目指し工事を推進。清水公園~梅郷間は清水公園~愛宕間の高架橋本体工事と清水公園駅のホーム改修工事を実施し、2017年度の事業完成を目指す。伊勢崎線伊勢崎駅付近は、2013年10月18日に高架橋への切替が完了しており、本年度は仮線の撤去や駅周辺整備などを実施する。

車両関連では、アーバンパークライン用の新型車両60000系をさらに増やし、本年度は48両(6両編成8本)増備する。これにより60000系の車両数は合計96両となる見込み。既存の10000系は26両でリニューアルを実施。車いすスペースや車内案内表示器の設置、車内照明のLED化などを行うほか、一部の車両では制御装置をVVVFインバーターに変更する。また、2014年度末にはアーバンパークラインの車両の過半数が電力回生ブレーキを備えた「回生車両」となることから、運河駅付近に電力貯蔵装置を新設する。

駅施設では、アーバンパークライン岩槻駅と伊勢崎線川俣駅の橋上化工事を進め、岩槻駅は2014年度、川俣駅は2015年度の完成をそれぞれ予定している。このほか、大宮公園・清水公園・新船橋・船橋・下今市・葛生・鉢形各駅で駅舎のリニューアル工事を推進する。バリアフリー化は本年度、日光線の新古河・下市各駅と東上線の上板橋・鉢形各駅でエレベーターや多機能トイレの整備を実施する。

中期経営計画に盛り込んだアーバンパークライン大宮~春日部間の急行運転は、2016年春の実施を予定している。これに伴い、本年度は踏切制御回路の改修などを実施する。

《草町義和》

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