NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は7月17日、世界で初めて「ロボット白書」を発刊し、その概要についての説明会を行った。
その席上、ロボット・機械システム部の弓取修二部長は「ロボット技術が社会を支える基盤技術となり、社会を変革する可能性を秘めている」と強調し、こう付け加えた。
「先頭を走るわが国だからこそ羅針盤となる“白書”が必要であり、これを世界で初めてつくること、使いこなせることが、ロボット市場で勝ち抜くための大きなアドバンテージになる」
NEDOがこのような白書を刊行したのには危機感があった。というのも、日本は「ロボット大国」と言われているものの、電機産業のように「技術で勝ってビジネスに負ける」という状況に陥りかねないからだ。
そこで、白書ではロボットビジネス活性化のために、ロボット開発者ではなく、ユーザーの視点に着目して、現状認識、技術、課題、提言などを行っている。そして、その処方箋として、実例を数多く取り上げ、活性化策を提示している。
具体的な中身については、第1章の「ロボットの基本情報」から始まり、「ロボットの利用意義」「産業ロボットの現状と課題」「生活とサービス領域のロボット化事業」「フィールドロボットの現状と課題」「ロボットを社会に実装する方策」「各章の課題と提言」の7章で構成されている。しかも、それらをすべてNEDOのホームページからダウンロードできるようになっている。
現在、NEDOでは「ロボットといえばNEDO、NEDOといえばロボット」のかけ声のもと、ロボット事業に力を入れており、「ロボット白書」についてはこれから隔年で刊行していく計画だ。