【SUPER GT 第5戦】スバル BRZ 佐々木孝太&井口卓人が今季初優勝…GT300クラス

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#61 スバルBRZは今季初優勝。
#61 スバルBRZは今季初優勝。 全 10 枚 拡大写真

富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第5戦(10日決勝)、GT300クラスではスバルBRZの佐々木孝太&井口卓人がポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾っている。

雨によるセーフティカー(SC)導入、赤旗中断などを経たレース展開だったが、#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木&井口/タイヤはミシュラン)が強さを見せつける格好となった。序盤、10周もしないうちに佐々木は後続を20秒近くも引き離す。「スタート後のコンディション(雨量)が自分たち(のタイヤ)に合っていることは分かっていた」とはいえ、素晴らしいスパート。ところがSC~赤旗中断によって、このリードは一旦フイになってしまう。それでも競争再開後に佐々木は再度、大量リードを築いた。そしてバトンを受けた井口がそれを守り切り、最後は逆に“SCチェッカー”の恩恵も受けつつ、勝利を得たのである。

雨のレースとあって「SCが出るのは分かっていた」と佐々木。それでも序盤に大きなリードを稼いだのは、「そうすることでライバルたちがあきらめてくれたら」という心理作戦も含めての判断だった。見事な快走、BRZにとってはコース特性的に「苦手な富士で勝てて、嬉しい」とも佐々木は語っている。

今季から佐々木のパートナーになった井口は、「納得のいく走りができました。今年は『勝たなければ』というプレッシャーもありましたが、これで解き放たれたと思います」と語る。昨年の鈴鹿1000kmでBRZがGT300初優勝を飾った際にも、井口は当時の佐々木&山野哲也コンビの第3ドライバーとしてスポット参戦、勝利に貢献していた。だが、SUPER GTを勇退した山野に代わってのレギュラー就任は、大きなチャンスであると同時に、相当な重圧でもあったようだ。次は連覇がかかる鈴鹿1000km。「勝つことしか考えていない」と井口が言えば、佐々木も「連覇してチャンピオンに近づきたい」との抱負を語っている。

決勝2位はメルセデスの#11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸&B.ビルドハイム/ダンロップ)で、3位が#86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥&山西康司/ヨコハマ=YH)。3台のBMW Z4勢が4-5-7位と近い順位関係でゴールしており、#4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝&片岡龍也/YH)が4位、#60 TWS LM corsa BMW Z4(飯田章&吉本大樹/YH)が5位、そして#7 Studie BMW Z4(J.ミューラー&荒聖治/YH)が7位だった。6位は#31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男&嵯峨宏紀/YH)。

4位の#4 BMWは開幕2連勝以来の得点となったが、シーズン4度目の表彰台を獲得した#11 メルセデスにドライバーズポイントでは逆転された。52点の#11が首位、4点という僅差ながら#4が追う形勢へと変わっている。ランク3位は今回優勝の#61 BRZで、こちらは上位2強とはまだ少し差がある状況だ(#11と17点差)。

SUPER GTの次戦は8月31日決勝の鈴鹿1000km。GT300はBRZの連勝&鈴鹿連覇なるかと、チャンピオン争いの動向に注目が集まる。

なお、富士戦決勝日のシリーズ運営団体GTAによる定例会見で、坂東正明GTA代表は「2016年の開幕前にフィリピンの市街地コースでエキシビションレースを開催したい」との意向と計画について語った。また、2017年に完成するというジョホールバルの新コースでのマレーシア開催復活も視野にあるとのこと。SUPER GTの来季日程(既報)は今季とほぼ変わりないが、中長期的にはアジア拡大戦略に具体的な動きがあるだろうことを窺わせている。こちらも今後、注目されるところだ。

《遠藤俊幸》

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