4代目マツダ『デミオ』がSKYACTIV-Dのディーゼルエンジンを引っさげて市場投入される。Bセグメントの乗用車にディーゼルエンジンが投入されるのは、ダイハツ『シャレード ディーゼル』以来と記憶するから、ほぼ20年ぶりの登場だ。
11日に都内で行われた発表会。あいさつの中で開発主査の土井歩氏は、価値はサイズに比例するという既成概念を破りたいと語り、このクラスとは思えない内装のクオリティーや走りの性能を、この4代目に盛り込んだという。
注目されるディーゼルエンジンは、コンパクトなエンジルームいっぱいに搭載され、やはり振動対策に苦労したのか、巨大なエンジンマウントに支えられていた。また、込められた思いを象徴するように、最上級のLパッケージの内装は本革をあしらったシートが装備され、さらに合成皮革ながらそれがドアパネルやダッシュボードにも反復されるなど、確かにこれまでのBセグメント国産車には見られなかったような豪華さがある。
そして豪華さだけでなく、これまでコンパクトカーが苦手としてきた長距離ドライブにも、ペダルレイアウトを変更してドライバーの体に対し、ペダルポジションが正対するレイアウトが採られて疲労を軽減する気配りが見られた。つまり自然なドライビングポジションが取れるというわけで、これについては実際に試乗した時に改めて報告したい。
6速MTと組み合わされるディーゼルモデルは、JC08モードで30km/リットルの燃費を達成。これは軽自動車を除けば内燃機関搭載車として最高の燃費を誇っている。
そして安全面ではマツダ車として初めてブラインド・スポット・モニタリング(BSM)を採用。さらにハイビームコントロールや車線逸脱警報システムなど、上級モデルに採用された技術を積極的にコンパクトカーに取り入れている点も大いに評価できる。
机上の燃費比較ではハイブリッド車には及ばないが、例えば高速を長距離で移動するといった条件下では、ハイブリッド車といえどもエンジンを使用するわけで、そうした場合はディーゼルの方が場合によっては燃費が良くなる可能性もあり、30km/リットルの燃費は案外侮れない。この充実した装備、豪華な内装、20年ぶりのBセグメントディーゼルなど、新しいもの尽くしのデミオ、もしかするとこのセグメント革命児となる可能性がある。