2014年9月16日、文部科学省第17回宇宙開発利用部会が開催された。平成27年度の宇宙・航空分野の予算の概算要求は1940億6900万円で、平成26年度予算の1552億2300万円を上回る。
文部科学省の宇宙・航空分野で27年度概算要求に新規に盛り込まれた項目として、「先進光学衛星」(51億円)、「光データ中継衛星」(32億円)、「革新的衛星技術実証プログラム」(30億円)、「宇宙探査イノベーションハブ」(20億円)、「次世代航空機イノベーションハブ」(19億円)がある。
昨年度から開発が正式に始まった新型基幹ロケットは70億円から130億円へ、超低高度衛星技術試験「SLATS」が6億円から22億円へ、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT-2)」が7億円から47億円へ、地球環境変動観測ミッション・気候変動観測衛星「GCOM-C」は14億円から53億円へ、次年度打ち上げとされるX線天文衛星「ASTRO-H」が95億円から114億円へ、と開発中の衛星や実証機予算の増額も盛り込まれた。
国際宇宙ステーション(ISS)への日本の参加については、宇宙開発利用部会内の国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会で7月の中間とりまとめにより2024年までの日本のISS参加継続を提案している。27年度予算要求額では、ISS日本実験棟「きぼう」の運用費は前年と同じ122億円だが、宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」予算は235億円から280億円と45億円の増額が要求された。これは、2017年(平成29年)以降のHTV8号機、9号機の部材調達関連の費用だという。
2009年の1号機から一貫してミッションを成功させてきた「こうのとり(HTV)」だが、当初決定していた2016年まで計7号機を打ち上げる計画の後が不透明だった。部材調達という具体的な費用が盛り込まれたことで、2017年以降の見通しが明らかとなった。