マツダは9月11日、新型『デミオ』を発表した。注目のパワートレーンは、初投入される最新ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」だ。
マツダ『アクセラ』には2.2リットルのSKYACTIV-Dが搭載されている。対してデミオに搭載されるのは1.5リットルで、2.2リットルの“小排気量版”と思いきや、新たな技術が多数採用された“別物”であるといえる。
特徴的なのは、ターボチャージャーの使い方だ。直列4気筒ターボディーゼルという点は2.2リットルと共通だが、1.5リットルに採用されたターボは、専用の完全オリジナルシステムである。
「2.2リットルの2ステージターボ(大小2つのターボを備え、使い分ける)のシステムをそのまま1.5に流用しても優れた効率を得る事は難しいため、1.5リットルはシングルターボ(可変ジオメタリーターボ)とした。」。こう説明するのは、マツダ パワートレイン開発本部の新畑耕一主幹。続けてそシングルターボの工夫について「小排気量でも最大限の効率を得るために、タービン側に可変ノズルを用いている。低回転では排ガスの通り道を狭める事で流速を上げ、かつ排ガス射出口の向きも変化させ、ブレードに当てる」と新畑氏は補足。つまり、低回転時から効率よくタービンブレードを回転させる事が可能だ。
SKYACTIV-D 1.5の独自性はこれだけではない。ターボディーゼルにはNOxを削減するために、“EGR”という燃焼ガスの一部を圧縮空気に還流させるシステムが用いられるが、「通常のEGRは1本のバイパスだが、1.5リットルには2本のバイパスを設けた。ただ、それだけでは過給圧が保てないため、もう一本は触媒通過後の燃焼ガスをコンプレッサー前に通し、その問題をクリアした」と新畑氏は1.5リットル独自の工夫を説明した。
新畑氏はさらに「通常のシングルターボチャージャーは、ブレードの過回転を防ぐため、10%程度マージンを残しているが、SKYACTIV-D 1.5にはターボに回転センサーを設けた。その事でターボの性能を限界まで使用でき、エンジン全体の効率を向上している」と付け加えた。