西オーストラリア州で開催されていたオーストラリアン・サファリ2014は9月27日にゴール。地元オーストラリアのデイブ・マクシェーン(トヨタ・タコマ)が4輪総合優勝を果たした。プラグインハイブリッドカー、三菱アウトランダーPHEVをドライブしたスティーブ・グレニーは総合19位、A1-6クラストップで完走している。
セレモニアルスタートを含めて9日間という、長期間にわたって行われたオーストラリアン・サファリがついにフィニッシュした。最終のレグ7はオーストラリア西海岸のカーナーボンをスタートし、シーサイドタウンのカルバリまで南下するコース。最終ステージではあるが難易度の高いSSが用意され、選手達にとっては最後の試練となるはずだった。
しかし、SSが始まってすぐに降り始めた強い雨によりコースは予想以上にマディとなり、主催者はステージの途中で競技をストップ。そこまでのタイムが計上され、未走行の選手たちには一定のタイムが与えられることになった。
前走車を抜かそうとしてクラッシュ、レグ6のSSをクリアすることができなかったアウトランダーPHEVのグレニーは、メカニックたちが完全な状態に修復したマシンで最終ステージをスタートし、SS2番手タイムをマークしてみせた。砂地やマディな上り坂でトラクションがかかりにくい路面で、PHEVのモーターアシスト4WDは素早いトルクの立ち上がりでしっかりとタイヤに駆動力を伝え、難しい路面を軽やかに駆け抜けた。ファイナルステージでSS2番手のタイムを刻んだグレニーは「ガソリンやディーゼル車では不可能な、トルクフルな走りが今日はできた。プラグインハイブリッドはラリーで速く走るためにも有効なデバイスだと思うよ」と、満足した様子だった。
マシンを準備したTMR(チーム三菱ラリーアート)オーストラリアに同行し、技術面からラリーをサポートした三菱自動車EV要素研究部の乙竹嘉彦氏は「今回のマシンは市販車に限りなく近い仕様で、車高もあまり上がっていません。信じられないほど荒れた路面で何度も下まわりを強く打ちましたが、バッテリーを始めとするプラグインハイブリッドシステムは何もトラブルが出なかった。これは、我々からしてみても驚くべきことです。また、ボディに関しても歪みなどはなく、アウトランダーPHEVの堅牢性の高さを改めて実感しました」と、長くハードなラリーを総括した。