のと鉄道はこのほど、一般から募集していた観光列車の愛称を『のと里山里海号』に決めた。北陸新幹線の長野~金沢間延伸開業に伴い、2015年4月29日から運行を開始する。
『のと里山里海号』は、新たに増備する2両の気動車を使用して運行する観光列車。増備車の車体は能登の海をイメージした濃紺色(日本海ブルー)を基調とし、えんじ色のアンダーラインが施される。定員は2両で計84席。山側ロングシートと海側ペアシートを海向き展望シートとして設けるほか、ボックス席と運転席隣の展望シートも設ける。
内装は「能登ヒバ」の客室テーブルや「能登上布」のヘッドレストカバーなど、能登の天然素材や伝統工芸品などを使用。伝統工芸品などを鑑賞できるミニギャラリーも設置する。このほか、冷蔵設備などを備えたサービスカウンターを設置する。
平日は団体旅行客向けの貸切列車として運行するが、土曜・休日やゴールデンウィーク、夏休み期間など年間約150日は、定期列車として1日2~3往復運行する予定。運行時刻は現在検討中だが、七尾・和倉温泉両駅(石川県七尾市)で接続しているJR七尾線のシャトル特急や観光列車との連絡などを考慮して調整するという。眺望が良好な場所では減速か一時停止して車窓を楽しめるようにする。車内では客室乗務員(アテンダント)による観光案内や車内販売などのサービスを提供。さらにスイーツやランチ、地酒を楽しめる食事付きコースも設定する。
列車名は一般から募集し、3708件の応募があった。のと鉄道によると、世界農業遺産の「能登の里山里海」を走ることや、増備車のデザインコンセプトが「能登の里山里海が織りなす風景と旬の味を楽しむ」であることなどから、応募数第2位の『のと里山里海号』が選ばれた。