気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年12月5日付
●タカタエアバッグ、調査リコール日米で拡大、予防措置、国交省も指示へ(読売・1面)
●NY円一時120円台(読売・1面)
●アクアまた首位、11月2か月連続(朝日・10面)
●社説:欠陥エアバッグ、総力あげ対応急げ(毎日・5面)
●「北斗星」引退、ブルトレに幕、来年3月、ダイヤ改正で(産経・31面)
●独企業、中国頼みの成長、ニーズ取り込みへ大型投資、ダイムラー、北京に開発拠点(日経・9面)
●輸入車販売11月2.4%減(日経・11面)
●先読みビジネス天気、自動車、新車販売、低空飛行続く(日経・15面)
ひとくちコメント
「自分の車は、大丈夫か?」けさの新聞を手にしてそう感じた人も少なくないだろう。円相場が急落し、約7年4か月ぶりに1ドル120円台を付けたことも驚きだったが、それよりも、読売、毎日が1面トップで報じているタカタ製エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で、国内のリコール対象は約280万台に拡大したことである。
各紙ともそのタカタ製エアバッグを搭載した車種の一覧表を掲載しているが、例えば、トヨタ自動車は19車種、計18万5093台(2002年9月~03年12月製造)の追加リコールを国土交通省に届け出たものを含めて対象は約123万台。車種は『カローラ』から既に生産を中止している『マーク2』や『ソアラ』まで多種多彩。ホンダも『フィット』、『ストリーム』など約100万台、日産自動車が『キューブ』など約40万6000台、ほかにBMW、ダイハツ工業,マツダ、富士重工などが含まれている。
気になるのはトヨタが「リコール」に踏み切った理由だ。毎日などによると、「廃車のエアバッグ解体時に異常破裂が確認された。走行中にも起こる可能性があると判断した」としているからだ。原因は調査中だが、「予防的措置」として、破裂したエアバッグ内の装置と同時期に製造された車をリコール対象としたという。
リコールは通常、不具合の原因が判明した時点で届け出るのが一般的だが、すでにBMWなども「予防的措置」でリコールを実施している。
タカタ製のエアバッグ問題では、米下院エネルギー・商業委員会が公聴会を開き、ホンダは、調査リコールを全米で実施すると表明したが、タカタは拒否するなど「ホンダ、タカタと一線」(読売)、議員や米当局幹部から批判を浴び、問題は長引きそうだ。
また、「経営トップはいまだ記者会見など公の場での説明責任を果たしていない」(毎日)ことでも、タカタへの不信をさらに広げているようだ。