東京を南北に縦貫する「上野東京ライン」が2015年3月に開業し、宇都宮・高崎線と東海道線の相互直通運転、常磐線の品川駅乗り入れが実施される。この新たな直通サービスが開始されると、「グリーン車の利用客も増えるだろう」といわれている。
現在、東海道線、横須賀・総武線快速、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、常磐線の普通(快速)列車にはグリーン車が連結され、「普通列車グリーン車」というサービスが行なわれている。車内では、「グリーン車Suicaシステム」で車内改札を省略、乗務員(グリーンアテンダント)による車内販売サービスなども行なわれている。
師走の金曜日、夜。総武快速線錦糸町駅や東海道線川崎駅、東北線赤羽駅でグリーン車を見てみると、2階建て車両の上階はほぼ満席、下階に若干の空席があるという状況だった。
東海道線のグリーン車のスタッフは「3月から上野東京ラインが始まると、東海道線や東北線、高崎線などで夕方以降のグリーン車利用が増えると思う」と話していた。
上野駅のスタッフは「これまで上野駅や東京駅から始発列車で着席して帰っていた利用者のなかには、『直通化されて座れなくなる』と感じている人もいる。こうした人たちの一部は今後、グリーン車を利用するようになるんじゃないか」ともいう。
上野東京ライン開業後、17~23時の宇都宮・高崎線の北行き列車は、5~6割が東海道線から直通。また常磐線の特急には、新たな着席サービス「定期券用ウィークリー料金券」が導入される。直通化で便利になるいっぽうで、「座って帰りたい」と思う人たちの“電車の選択”にも変化がありそうだ。