ゼクー・モータースの根津孝太CEOは3月25日、東京都小金井市にあるフランス料理店で開いた『zecOO(ゼクー)』の発表会で以下のように挨拶した。
「ここまでいろいろありましたが、やっと製品として紹介できるようになり、本当に嬉しく思います。その特徴はすべて手づくりということで、オートスタッフ末広でひとつひとつ丁寧につくっていて、非常にオーラのあるバイクだと自負しています」。
元トヨタ自動車のデザイナーだった根津CEOがこの電動バイクを試作したのは2011年11月。そこから製品化に向け、生産を担当するオートスタッフ末広と問題をひとつひとつクリアしてきたという。
メイド・イン・ジャパンにこだわり、電気関連のシステム以外の部品はすべて日本製で、一からつくり上げた。「日本人の魂が入ったバイク」とのことだ。デザインについても、「やりたいことをすべてできた」とほぼ理想通りのものに仕上がったそうだ。
ゼクーは車検の要らない250cc未満相当のバイクで、全長2450×全幅80×全高1160mm、重量280kg。最高速度は160km/hで、バッテリーはリチウムイオン電池を使用し、8時間の普通充電で約160kmの走行が可能だ。ただ、最大トルクが144Nmと高く、出足の加速はスズキの『隼』に匹敵するという。
価格は888万円。49台の限定販売で、受注生産。「おそらく注文を受けてから納車まで3カ月ほどかかってしまうのではないか」と根津CEOは話す。すでにドバイの富豪から注文があり、国内でも興味を持っている人が数人いるそうで、4月にその数人を集めて試乗会を行う予定だ。
「2年ぐらいかけて売り切っていきたい。そして、このゼクーをフラッグシップにしながら今後の展開も考えていこうと思う」と根津CEOは話し、すでに普通の電動バイクの開発に向けて動き始めているようだ。