【トヨタ ランドクルーザー70 試乗】必要性だけじゃないクルマの楽しさを教えてくれる…諸星陽一

試乗記 国産車
トヨタ ランドクルーザー70
トヨタ ランドクルーザー70 全 8 枚 拡大写真

『ランドクルーザー』の70シリーズが6月末までの期間限定で再販売された。外回りは基本、昔のままのスタイリング。エンジンなどは現行の法規に合致したものとなっている。

クルマに乗り込むためドアハンドルに手を掛けると、その時点ですでにランクル70のクラシック感を味わうことができる。ランクル70のドアハンドルはヒンジ式と言われるタイプ。現在のトヨタ車で使われているのは『ハイエース』や『センチュリー』など一部車種のみ。現在は多くのクルマがバーハンドルを採用しているので、ランクルの四角くエッジの立ったドアハンドルは、それだけでこのクルマが現代のクルマでないことを知らせてくれる。

かなり高い位置にあるドライバーズシートに、「よっこらしょ」と乗り込む。インパネデザインはかつてのタイプとは異なるが、それでもクラシック感にあふれるものだ。搭載されるエンジンはV6DOHCの4リットル。エンジン始動後の振動は微小で、かつてのランクル好きにとってはちょっともの足りないかもしれない。

シフトレバーを操作するのは何年ぶりだろう。当然、シフトストロークは長く、モダンな雰囲気はない。クラッチをつないで、動かし始めのクルマの揺れ方、シフトアップ時のショック、コーナリング時のロール感、なにを取っても今の基準ではない。しかし、今のクルマが持っていない楽しさが確実にある。

新しいクルマで快適に移動するだけがクルマの楽しさではない。きっとラフロードに行ったなら、今のモノコックボディのクロカン4WDでは難しような走りもできてしまうはず。「これにて十分」や「これが必要」というだけで語りきれないのがクルマのよさ。そしてそれに気づき、このクルマを復活させたトヨタの心意気に最敬礼を送りたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《撮影 諸星陽一》

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. SHOEIが新型フルフェイスヘルメット『GT-エアーIII』にグラフィックモデル「DISCIPLINE」を設定
  2. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  3. ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
  4. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  5. アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
  6. ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
  7. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  8. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  9. いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
  10. レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
ランキングをもっと見る