JR北海道は4月28日、災害により一部の区間が運休中の日高本線について、復旧にかかる費用と工事期間を発表した。
日高本線は苫小牧~様似間146.5kmを結ぶ鉄道路線。このうち厚賀(日高町)~大狩部(新冠町)間の線路脇の土砂が高波によって削り取られたため、現在も鵡川~様似間116.0kmの運転を見合わせている。
発表によると、復旧に必要な工事費の概算は、護岸対策が約42億円、斜面対策が約15億円で、計約57億円かかる。工期は「護岸改築4500m、吹付枠工1100mの施工には、長期間を要する見込み」とし、具体的な期間は示していない。
一方、必要最小限の修繕にとどめ、25km/hの徐行運転で安全を確保する場合の費用は、全体で約26億円。内訳は護岸対策が約24億円、斜面対策が約2億円になる。工期は全体で約30カ月かかるとしているが、実際に工事が可能な期間は冬季を除く4~10月の7カ月間としており、再開までの期間はさらに伸びることになる。
JR北海道は今後、護岸壁の調査や準備工事などを行い、9月末までに詳細設計や施工計画をまとめる方針だ。