【上海モーターショー15】ボルボの新プラットフォームを採用するプレミアムセダン登場…吉利汽車

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吉利汽車(ジーリー) 帝豪コンセプト
吉利汽車(ジーリー) 帝豪コンセプト 全 30 枚 拡大写真

吉利汽車(ジーリー)は上海モーターショーで、コンパクトセダンを予告する『帝豪コンセプト』を公開した。スポーティでプレミアムなキャラクターが魅力で、ボルボと共同開発した新プラットフォームが採用されているという。

このコンセプトカーはリアデッキがほとんど目立たず、まるでファストバックのように流麗なシルエットを持つ。これは吉利グループが3大陸に持つ4ヶ所のデザインスタジオと、そこで働く国際色豊かなデザインチームおよそ300人による成果だという。

帝豪(EMGRAND)コンセプトのスタイリングは中国の視覚文化から着想を得たもので、そのローカルなキャラクター、つまりは漢字の要素を取り込んで統合、表現したものだという。これは線の流れや面の表情が画一的なものではなく、常に強弱が変化してゆくものになっているあたりに感じ取ることができる。

インテリアも基本的に同様のテーマで構成され、そこに伝統的な文様や建造物からもたらされたアイデアが加えられた。表面素材やストレージボックスの意匠といった細かい部分まで、中国の古典的な要素に基づくデザインとされている。

センター部が盛り上がったインパネ形状は、運河などにある伝統的な石造りのアーチ橋がモチーフだとか。タッチパネルを全面的に採用することでスイッチをなくし、オブジェのようなたたずまいとなっている。

全体的に「中国らしさ」の表現に力が入りすぎているようにも感じられるが、スペックが公表されていないことから、これはアドバンス提案なのだと納得することができる。中国のブランドとしての存在感を確立することが目的なのであって、量産モデルでは穏健で普遍性のある表現に改められることだろう。

ちなみに吉利には2014年に発売されたばかりの『博瑞』が存在するが、帝豪コンセプトはこの「吉利ブランドのフラッグシップ」とほとんど同じボディを持っているようにも見える。となると、疑問も浮かんでくる。わざわざ新たなコンセプトカーを仕立てる理由はなんだろうか?

しかも「帝豪」というのは、吉利ブランドとは別個にラインナップを展開していたものの、2014年に廃止されたラグジュアリーブランドの名だ。車種ブランドとして再出発するのだとしても、すでに博瑞がフラッグシップとして存在しているのだから、屋上屋を架すことになってしまわないだろうか?

実は博瑞のメカニズムはボルボの『S40』や『V40』をベースにしたもの。しかし現在、ボルボは新しいコンパクトクラス用プラットフォーム「CMA」を採用した車種の開発を進めている。

そしてこれは「吉利の車種にも幅広く使われる」と明言されている。このことから、吉利の言う「共同開発した新プラットフォーム」とはCMAのことに違いない。

となると、帝豪コンセプトは博瑞の次期モデルを想定したものではあるが、発売までまだ時間があり、メカニズムの詳細も確定していないのでアドバンス提案に活用した、と考えるのが適切だろう。

《古庄 速人》

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