幻の鉄路「広浜鉄道今福線」のシンポ8月開催…遺構の活用策探る

鉄道 行政
8月8日に開催される「広浜鉄道今福線」シンポジウムの案内。翌9日には実際に今福線の遺構をたどるエクスカーションも行われる。
8月8日に開催される「広浜鉄道今福線」シンポジウムの案内。翌9日には実際に今福線の遺構をたどるエクスカーションも行われる。 全 1 枚 拡大写真

島根県浜田市の「広浜鉄道今福線を活かすシンポジウム実行委員会」は8月8日、幻に終わった鉄道路線(未成線)として知られる広浜鉄道の活用策を考えるシンポジウムを開催する。翌9日にはアーチ橋などの遺構をたどるエクスカーションも行われる。

広浜鉄道は、広島市と島根県浜田市を結ぶ鉄道路線として計画された未成線。広島県側の横川~可部間が私鉄路線として開業し、1936年には国有化されて国鉄可部線になった。その後も国鉄の手により延伸工事が進められ、1969年までに可部線の可部~三段峡間が延伸開業。島根県側も1933年から今福線として今福~下府間(後に今福~浜田間に変更)を中心に工事が進められたが、国鉄の経営悪化を受けて工事が中止された。

現在もルート変更前の今福~下府間を中心にアーチ橋などの遺構が残っており、2008年には土木学会が「今福線のコンクリートアーチ橋群」として選奨土木遺産に認定した。実行委は「広浜鉄道今福線に再び光をあて、地域活性化や観光コース化を図るための様々な活用策を考える」ことを目的に、シンポジウムを開催することにしたという。

シンポジウムは8月8日の13時から、島根県立大学の浜田キャンパスで開催。未成線研究の第一人者で「鉄道未成線を歩く」などの著書がある鉄道ライターの森口誠之さんと、産業観光コーディネーターの赤澤雅弘さんによる基調講演が13時45分から15時10分まで行われる。その後、15時25分から17時までは「鉄道ファン×観光×土木技術×地域、4つの視点から考える」と題したパネルディスカッションを実施。18時から20時まではホテルに会場を移して懇親会が行われる。

翌9日のエクスカーションは、浜田駅に8時45分集合。列車に乗って下府駅に移動し、下府駅から下府橋りょう跡まで歩く。その後はバスで今福線の遺構を巡り、14時30分に浜田駅に戻る行程になる。浜田市によると、通常は立入禁止になっている部分の遺構も案内するという。

いずれも事前申込制になっており、募集人数はシンポジウムが200人、懇親会が100人、エクスカーションが75人。シンポジウムは無料で参加できるが、懇親会は5000円、エクスカーションは1000円の会費を払う必要がある。申込みは7月10日まで、申込み専用ウェブサイトとファクスで受け付けている(必着)。

《草町義和》

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