トヨタ自動車は『ランドクルーザー(200系)』を一部改良し、8月17日に発売した。今回の改良で最大の目玉は、衝突回避支援パッケージ「「Toyota Safety Sense(トヨタ・セーフティ・センス)P」をトヨタで初採用した点にある。
ランドクルーザーはその誕生以来、世界中のありとあらゆる地域を走破してきた。その中には果てしなく続く広い原野や熱帯雨林なども存在し、人を寄せ付けないような地域での販売も行っている。そのような“極地”を走る車両に、先進の安全技術は必要だったのか。
ランドクルーザーのチーフエンジニアを務める製品企画本部の小鑓貞嘉氏は「グローバルで考えても、安全に関してこのクルマは前向きに取り組まないといけない」と述べる。
新型に搭載されるトヨタ・セーフティ・センスPは、クルマだけでなく歩行者も認識する「歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ」や、ブレーキ制御機能が付いた「レーダークルーズコントロール」、車線逸脱の可能性がある際に警報で知らせる「レーンディパーチャーアラート(LDA)」、対向車や先行車の有無によってハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」をセットで装備することで、安全性を高めているのが特徴だ。
ランクルの活躍するフィールドには、大自然の中だけでなく、人が密集する新興国や先進国も含まれる。日本で販売されている200系は、グローバルで見るとトップグレードから中間までのもので、日本未導入のグレードにはセーフティ・センスを搭載しないグレードもあるという。
さらに今回、国内に導入されるものには「トヨタ・セーフティ・センスP」のほかに、車両下の情報やタイヤ位置が確認できる「アンダーフロアビュー」や、ディスプレイ上に地平線を水平表示することで、前方の路面形状や車両の傾きを確認できるフロントビュー回転表示を世界初採用。ランドクルーザー60余年の歴史で培われた、ベース車の持つ高い信頼性・安全性に加え、先進デバイスを装備することで、総合的に安全性能を高めている。
小鑓氏は「(セーフティ・センスを)必要としていない地域でも販売することは、価格が高くなることもあるのでどうかなとも思うが、安全装備はオフロードと背反するものではない。間口を広げ、その中で欲しい方に買っていただけたらいいと思っている」と述べた。