【ヤマハ MT-07 試乗】優等生的な走りと、ワクワクが共存…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
ヤマハ MT-07
ヤマハ MT-07 全 19 枚 拡大写真

筋肉質だが、ボリューム感はさほどなくスタイリッシュ。誰の目にも新しいデザインだ。

跨ると見た目以上にスリムで、車体とのフィット感が素晴らしく良い。ニーグリップがしっかり決まり、下半身でマシンをホールドしやすい。ステップ位置やその幅も吟味されているのがよくわかる。押し引きしても軽く、取り回しの感覚は400ccクラスなみだ。

ハンドリングも軽快で、このヒラヒラ感は旧いバイクや重量級クルーザーを好む人には安定感がないと感じてしまいそうなほど。旋回性が高く、ワインディングでは水を得た魚のようにキビキビ走る。

689ccの排気量を持つ並列2気筒エンジンは低速から力強く、ツインらしいパルス感だって4000回転以下ならある。スロットルレスポンスも鋭く、それでいてパワーバンドが広く扱いやすいから乗り手を選ばない。

コーナリングマシンであるもののストップ&ゴーを繰り返す街乗りも楽しいし、高速道路でのクルージングも振動が少なく快適。トップギヤ6速での100km/h巡航は4200rpmほどででき、淡々と走るのも苦にしない。

ABS未搭載車なら70万円を切るリーズナブルさだが、フロントからテールエンドまでを独特な造形で繋いだ樹脂パーツをはじめ、複雑で美しい曲げ加工を施したエキゾーストパイプなど手が込んでいて、安っぽさは皆無。

「普段着感覚で楽しめる運転の楽しさ」とヤマハが謳うように、気負うことなく乗れ、オールマイティに使える。優等生ながら味気ないということはなく、いつだってエキサイティングだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★
スタイル:★★★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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