ボルボのいわゆるロムチューン、「ポールスターパフォーマンスパッケージ」が、新たにDrive-E搭載車に設定された。
ポールスターパフォーマンスパッケージ自体は、2年ほど前から導入されており、これまでは1.6リットル直噴ターボにDCTの組み合わせの従来型「T4」、同じく3リットル直列6気筒ターボAWDの「T6」の2種への設定だった。そこに今回初のDrive-Eパワートレイン用のポールスターパフォーマンスパッケージが導入された。
今回設定されたDrive-Eパワートレインにはクリーンディーゼルの「D4」がある。「ディーゼル車はガソリン車とは全然違った、(太いトルクによる)ドライビングの歓び、楽しみがある」と述べるのは、ボルボ・カー・ジャパンマーケティング部プロダクトグループプロダクトスペシャリストの岡田勝也さんだ。そして、これをさらに増幅させる商品がポールスターパフォーマンスパッケージとなる。
つまり、「日本のほとんどのユーザーが経験したことのないクリーンディーゼルをベースにした、チューンドクリーンディーゼルという未体験のドライビングプレジャーを提供するのがこの商品の特徴だ」という。
一方、同社の戦略面からは、「今回タイミングを重視した」と岡田さん。現在同社はクリーンディーゼルを5車種一斉に投入した。「他社のクリーンディーゼルが出そろわないうちに、ボルボクリーンディーゼル攻勢第2弾として、チューンドクリーンディーゼルをリリースしたのだ」と説明。
今回のチューニングのポイントは、「中速回転域で最もパフォーマンスが出るようなセッティング」と岡田さん。D4、T5とも高性能なスペックを持っているが、これにより、D4は190馬力、400Nmから200馬力、440Nmに。T5は245馬力、350Nmから253馬力400Nmになる。数値上ではD4で10馬力、T5では7馬力程度ではあるが、「前述のとおり、中速域で一番パフォーマンスが出るチューニングなので、その回転域でのピークの改善度はD4で16馬力、40Nmプラスに。T5では25馬力、50Nmプラスとなり、ほぼ常用回転域で美味しいところが味わえる設定になっている」とコメント。
また価格においても、従来約20万という販売価格から、18万8000円になった。「これは日本サイドの判断で、新パワートレイン用導入を機に、より幅広く販売していこうと戦略価格として設定したのだ」と語った。