【ホンダミーティング15】1リットル3気筒のダウンサイジングターボエンジン…最高出力は130ps

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1.0リットル VTEC TURBOエンジン
1.0リットル VTEC TURBOエンジン 全 8 枚 拡大写真

今年の初夏、新型『ステップワゴン』でダウンサイジングターボを初搭載したホンダ。ダウンサイズ戦略の次の一手は、2年前から予告されていたとおり、排気量1リットルの3気筒ターボエンジンだ。その市販用エンジンを搭載した欧州『シビック』を短時間試運転してみた。

1リットルターボの目標スペックは最高出力130ps。2年前のホンダミーティングでテストドライブしたときはまだ100ps程度という話であったが、今回は目標値を達成しているか、それに近いスペックであることをうかがわせるようなスピードの乗りであった。もちろん絶対パワーが限られているため、猛然と加速するわけではないが、本田技術研究所高速周回路のバンクを150km/hで抜けた後、直線区間の終わりまでに180km/hに達する程度の能力はあった。大衆車向けのエンジンとしては十分であろう。

振動・騒音レベルはきわめて低く抑えられており、フル加速時でも3気筒を意識させられることはなく、ハイスピードクルーズ時はエンジン音そのものがほとんど聞こえなくなる。1リットル3気筒といえばフォード『フィエスタ』に搭載されているものが名品として世に知られているが、それと比べても十分にアドバンテージを確保できるのではないかと思われた。

最高熱効率は37%とのことで、自然吸気エンジンのトップランナーにそん色ない数値。低負荷時の内部摩擦損失やポンピングロスの小ささを考えれば、燃費の点でも既存の自然吸気エンジンに置き換える価値は十分にありそうだった。組み合わされる変速機はMTとCVT。試乗車はCVTだったが、変速プログラムが流行の擬似ステップ変速に変更されており、加速フィールはより自然になっていた。

難点は回転上昇にともなう盛り上がり感に欠けており、のっぺりとした平板なフィールであること。これはこのエンジン固有の問題というよりは小排気量ダウンサイジングターボエンジン全般に言えることだが、回す楽しさは同じ130psクラスでも、自然吸気直噴1.5リットルのほうが上だろう。日本で搭載するとすれば、コンパクトカー『フィット』、『フリード』の上位グレードあたりか。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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