三菱重工業は10月30日、埼玉新都市交通に2020系電車の納入を開始したと発表した。11月4日から営業運転が始まる。
埼玉新都市交通は、新交通システムの伊奈線(ニューシャトル)を運営する第三セクター。大宮駅(さいたま市大宮区)から内宿駅(埼玉県伊奈町)までの12.7kmを結ぶ。全線に渡り上越新幹線の高架橋沿いを走る。
ニューシャトルでは、1983年の開業時に導入された1000系(現在の1010系)電車と、1990年の全線開業時に導入された1050系電車が運用されてきたが、1010系の老朽化を受けて2007年から2000系電車の導入が始まり、1010系は残り18両(6両編成3本)となっている。埼玉新都市交通は2020系を導入することで、今年から2016年にかけて順次、1010系を置き換える計画だ。
三菱重工の発表によると、2020系は「並走する新幹線との調和性も高い、より未来感のある外観デザイン」に一新。オールダブルスキンアルミ構体を採用するなどして、1両あたり1t超の軽量化を図った。車体の断面は理想的なシート形状の傾きを基準に車内を最も広くできる六角形状とし、「合理性と快適性を備えた上質な室内空間」に仕上げたという。台車は三菱重工が開発した新型台車「T-smover」、車内座席はゆりかもめ7300系電車に導入された都市交通車両用シート「G-Fit」を採用した。
三菱重工は11月11~13日の3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「第4回鉄道技術展」で2020系の実物を出展する予定だ。