【東京モーターショー15】「アルトワークス はハッキリ言って速い!」…開発者インタビュー

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スズキ アルトワークス チーフエンジニアの水嶋雅彦氏
スズキ アルトワークス チーフエンジニアの水嶋雅彦氏 全 10 枚 拡大写真

スズキが『アルトターボRS』に続いて期待の「ワークス」をついにモーターショー会場でデビューさせた。新世代ワークスは期待に応える中身となっているのか、チーフエンジニアの水嶋雅彦氏と、パワートレーンを担当した山本真之氏に話を聞いた。

----:アルトターボRSが登場した時、“ワークス”の登場はないのか?との声が多かったと思うんですが。

水嶋:多かったですねぇ、それも半端じゃなく…(笑)。でも、ターボRSを開発している時には“ワークス”を仕立てて生産するという話はありませんでした。

----:最初から生産計画に入ってはいなかった?

水嶋:そうです。昨年12月にアルトを出し、3月にターボRSを追加したんですが、この時点で“ワークス”を開発する計画は一切なかったんです。ところが、ターボRSでトランスミッションをAGSだけとしたところ、マニュアルミッションも欲しいという声が上がり始めました。トランスミッションの追加だけならすぐに出せるとなったんですが、「どうせマニュアルで出すならワークス仕様で出して欲しい」という声が強かったんです。

確かにターボRSは標準車の上級グレードとして設定してましたから、乗り心地も考慮して足回りも柔らかめだったんです。ですので、昔のワークスを乗られていた方にすれば、「これじゃ物足りない」と、相当強く言われました。

----:つまり、要望に押されてメーカーがその声に乗ったというわけですね?

水嶋:そういうことです。でも、やるからにはターボRSの延長線上にあるものではなく、レスポンスの良くガンガン走れるモノにしなきゃいけないと考えたんです。足回りを見直すのも当然ですけど、エンジンもしっかりトルクが出るようにチューニングすることにしました。トランスミッションもクロスレシオにして、ショートストロークのマニュアルシフトもおこし直しました。シートはハードランにも応えられるレカロ製にしたわけです。

----:かなりターボRSとは違った中身になったということですか?

水嶋:基本は大きく変わっていないです。でもメーター周りのデザインとか、バンパーの外観は違ってます。ブレーキは同じで、キャリパーの色を赤塗装にしたものです。これでスポーティさを強調してみました。

山本:違うのはエンジンの特性ですね。でも別モノを入れたのではなくECUのチューニングで対応してます。ピークを上に伸ばすと同時に下もやや持ち上げるようなカーブを作ってます。4~5速での追い抜き加速では抜群に良い力が発揮できると思います。

昔のワークスですと5000~7000rpmあたりまで回さないとパワーが出ませんでしたが、下のトルクも太くして走りやすくしてます。今の技術でワークスを作ればこうなる!的なエンジンになったと思います。

----:トランスミッションはマニュアルだけでしょうか?

山本:ユーザーの裾野も広げたいこともあってAGSも用意します。ただ、少々クセのあるシフトチェンジとなるので、それが受け入れられるかどうかはちょっとわかりませんが。一応マニュアル同様、ギア比は変えてます。

----:走りは相当期待できそうですね。

山本:このクルマは見てもらうより、乗ってもらって初めて良さがわかると思います。私がパワートレーンを担当しましたが、ハッキリ言ってかなり速いです。走り出せば必ず“オッ”と、みなさん思ってくれるでしょう。

----:そうなってくると車両価格が心配になってきます。

水嶋:ターボRSよりは高くなりますが、そんなに上がることなく対応したいと思っています。レカロシートだけでも20万円近くは上がってしまいますが、それを搭載してもできるだけ抑えて、アルトのイメージが覆ることがない設定にしたいと思ってます。

山本:今年3月にターボRSが出て、それから半年前後でまったく別モノを出すことはできませんから。価格を抑える意味でも専用部品を使うことはできるだけ抑え、アルトシリーズの中で共用できるものは共通部品として対応することにしました。

----:ラインナップは2WDだけでしょうか?

水嶋:4WDも用意することにしました。雪国の方でも走りを追求したい人もいますからね。カラーリングは出展したガンメタをメインカラーに考えています。新たなカラーリングも数色考えているところです。

----:大いに楽しみになって来ましたが、発売はいつ頃を予定されてますか?

水嶋:来年早々には出したいと思っています。期待して下さい。

《会田肇》

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