ピレリは、グアユール由来の天然ゴムを使用した、新型タイヤのテスト走行を実施したと発表した。
天然ゴムの原料であるパラゴムノキは、その9割が東南アジア地域での栽培に集中しており、生産地域の一極集中緩和と供給の安定化が課題となっている。グアユールは、乾燥地域で栽培できる植物で、組織に含まれるゴム成分がパラゴムノキ由来の天然ゴムによく似た性質を持つことから、パラゴムノキに代わる有効な素材として注目を集めている。このグアユールの研究には、ピレリのほか、ブリヂストンも力を入れている。
2013年、ピレリは、イタリアのゴム会社ヴェルサリス社とタイヤ開発に必要なグアユール由来天然ゴムの独占供給契約を締結し、研究開発を開始。ヴェルサリス社によるラバー抽出技術やグアユールの樹脂特性にも支えられ、そこからわずか2年後という記録的な早さで、サーキットでのテストまで到達した。
プロトタイプタイヤは、高性能車であるマセラティ『ギブリ』に装着することで高負荷を与え、ウェットコンディションなどの極限使用でのテストを実施。その結果、オイル由来の合成ポリマー製のタイヤと同等の性能を示した。