熊本市交通局はこのほど、市電の上限運賃の変更を国土交通省九州運輸局長に申請したと発表した。認可された場合、2016年2月1日に運賃を変更する予定。実際に適用される運賃額(実施運賃)は、今より20円高い170円になる。
改定率は平均15.7%。大人運賃の上限は現在の150円から177円に引き上げるが、実施運賃は170円とし、現在より20円の値上げになる。
通勤定期券は現在、上限5550円で認可されており、実施運賃は5400円としているが、改定後は上限額を6370円とし、実施運賃は今より720円高い6120円とする。通学定期券(大人)は、現在の上限4630円・実施4500円から上限5310円・実施5100円に変更される。実施運賃ベースでは600円の値上げだ。
交通局の発表などによると、市電の運賃は1998年の消費税率引上げに伴う運賃への転嫁を実施。2007年には、130~200円の距離制運賃から150円均一運賃への変更を行ったが、本格的な値上げは1992年10月以降、見送ってきた。2014年4月の消費税率引上げでも、普通運賃は上限・実施運賃ともに据え置き、定期運賃は上限額を引き上げたものの、実施運賃は据え置いている。
しかし、経営の悪化から「将来的に持続可能な市電事業の自立的経営を目指す」として、12月18日に上限運賃の変更を申請したという。