SAPジャパンは、クラウド型車両分析アプリケーション「ビークル・インサイト」を日本市場で限定的に提供開始すると発表した。
また、コネクテッドカービジネスを展開する企業向けマーケットプレイス「ビークル・ネットワーク」も日本国内での実証実験を進める。
「ビークル・インサイト」、「ビークル・ネットワーク」は、自動車関連サービスを提供する企業が利用できるデジタルビジネスを実現するためのプラットフォームで、IoT(モノのインターネット)のための「HANA クラウド・プラットフォーム」上に構築されている。
「ビークル・インサイト」は、クラウド型の車両分析アプリケーションのプラットフォームで、これを利用することで、車載端末からリアルタイムに取得した走行中車両のデータを即座に分析することができる。実際の走行ルートやスピードといった運行状況、ガソリン残量やタイヤの空気圧などの車両状況をリアルタイムで取得し、事故防止や顧客サービス充実などに利用できる。
活用第1弾として、バスの危険運転を検知するシステム「バス・セーフティ・ネットワーク」を開発し、複数のバス事業者と実証実験を進めている。このシステムでは、バス車内に設置したOBDIIデバイスやスマートフォンなどから現在位置、速度、急ブレーキなどをリアルタイムで取得し、問題がある場合は運行管理者に自動的に連絡される仕組み。
「ビークル・インサイト」の一般提供開始は、2016年第2四半期(4月~6月期)の予定。
「ビークル・ネットワーク」は、自動車メーカーをはじめ、アプリケーションプロバイダー、ガソリンスタンド、パーキング事業者、広告代理店、保険会社など、コネクテッドカービジネスを展開する企業向けオープンなマーケットプレイス。これを利用することで企業は、マーケットプレイス上のさまざまなサービスを組み合わせて、ドライバー向けの新しいモビリティサービスやアプリケーションを作ることが可能となる。
北米、欧州に限定的な提供を開始しており、既にフォルクスワーゲングループのスペイン・セアトが利用開始する計画を発表している。日本でも年内に実証実験を進める予定。