マフラーやサスペンション、自動車用改造部品などを開発・製造するエッチ・ケー・エス(HKS、静岡県富士宮市)は、受託業務の新展開として、駆動力に電動モーターを採用したスーパーチャージャーを初公開。従来の排気ターボをアシストする電動スーパーチャージャーを提案した。
同社の電動スーパーチャージャーは、「排気ターボのアシスト専用」「ターボラグを低減し燃費改善」「小型でレイアウトしやすい設計とDC12V駆動」がコンセプト。モーター部分にインバーターを内臓した「機電一体」タイプで、電気的損失を少なくし、小型化を実現している。
こうした電動スーパーチャージャーを開発・製造する背景には、「さらに厳しくなるCO2規制、排出ガス規制などをクリアするには、現行のダウンサイズエンジン+過給機では厳しい」「排気ターボは、低回転域か高回転域かのどちらかを優先するパターンになる」などがあげられる。
こうした課題の解決策のひとつとして、排気ターボをアシストする電動スーパーチャージャーを組み合わせる構成が注目された。「低回転域では電動スーパーチャージャーが、中~高回転域では排気ターボが過給する」(同社)といった組み方だ。
同社の過給機開発は、エンジン、電子制御システム、排気マフラー、サスペンションなどと並ぶ受託業務のひとつ。企画・開発から評価、検査、製造、量産まで、一貫してかかわることで「クライアントのあらゆるニーズにこたえる」という。