石井啓一国土交通相は10日、自動車の型式指定審査の不正行為を防止する新たな対応について、公表した。
石井氏が会見で述べたのは、今回問題となっている燃費審査のためにメーカーが国交省に提出する走行抵抗値の不正防止について。
メーカーが行う走行抵抗値のデータ測定時に国交省の検査機関である「自動車技術総合機構」が抜き打ちで立ち合いなどによるチェックを実施する。
法令に定められた測定方法を採用していないなど不正が発見された場合は、その内容を公表し、燃費審査だけでなく車両の型式申請を却下するなどの対応を行う。さらに、不正を起こしたメーカーには、その後の審査を厳格化する。
石井氏は「今後の型式指定申請について、可能なものから速やかに実施する」とし、「三菱自動車もスズキも厳格化する」と、話した。ただ、2社がすでに型式を取得して現在販売されている車両については「不正の全容が判明した時点で判断する」とした。
メーカーが国に型式を申請し、それを取得すると、同じ型式の車両は、1台ごとに車両検査を省略して販売することができる。大量生産に不可欠の制度で、新たな対応を行うことが不正行為の大きな抑止力になると期待されている。
新たな防止策は、同日午後に開催される「自動車の型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するためのタスクフォース」で、その概要が示される予定だ。