宇都宮LRT計画の公聴会、一般公述は賛成6人・反対4人に 7月26日開催

鉄道 行政
宇都宮駅東口に建つLRT計画の大きな看板。2019年12月の開業が予定されている。
宇都宮駅東口に建つLRT計画の大きな看板。2019年12月の開業が予定されている。 全 2 枚 拡大写真

国土交通大臣の諮問機関である運輸審議会(運審)は7月15日、栃木県宇都宮市・芳賀町の軽量軌道交通(LRT)計画の公聴会について、一般公述人や進行予定などを決めたと発表した。7月26日の12時から16時まで、宇都宮市内の栃木県総合文化センターで開催される。

宇都宮のLRT計画は、宇都宮市宮みらい1番地1(宇都宮駅東口)から芳賀町大字下高根沢4622番地先までの14.6kmを結ぶ軌道を整備するもの。全線複線で、原則として道路中央に軌道を設けるが、一部はLRT専用の走行空間や橋りょうを整備する。車両は超低床式電車17編成を導入する。宇都宮市と芳賀町が軌道整備を行い、第三セクターの宇都宮ライトレールが宇都宮市・芳賀町から施設を借りて運送事業を行う。

宇都宮ライトレールなどは今年1月22日、地方公共交通の活性化及び再生に関する法律(活性化法)に基づき、軌道運送高度化事業の実施計画認定を申請。これを受けて国交相は、認定の可否を判断するため6月21日付で運審に諮問した。運審は「さまざまな意見を聴いた上で判断を行う」として公聴会の開催を決め、7月6日まで一般公述人と傍聴人を募集していた。

発表によると、一般公述人は10人。宇都宮市を中心に路線バスを運行している関東自動車の吉田元取締役や、栃木県LRT研究会の作業部会長を務める宇都宮共和大学・宇都宮短期大学の須賀英之学長ら6人が、計画に賛成の立場から意見を述べる。一方、反対の立場からは「宇都宮市のLRTに反対し公共交通を考える会」の上田憲一代表や、「宇都宮市のLRT問題連絡会」の保坂栄次共同代表ら4人が意見を述べる。このほか、LRT計画を申請した宇都宮ライトレールなども意見を陳述する。

活性化法に基づく実施計画認定手続きでは、申請を受けた国交相が運審に諮問し、運審は委員間での議論や公聴会の開催などによって申請の内容を審査するのが、原則的な流れだ。運審は認定が妥当かどうかを国交相に答申し、国交相はこれを受けて申請を認定もしくは却下する。

ただし、過去の実施計画認定手続きとしては、札幌市電のループ線化事業(2015年12月開業)や富山ライトレールの富山駅乗入れ(2020年3月開業予定)などがあるものの、いずれも運審が「軽微な事案」と認定。このため国交相は運審に諮問せずに実施計画を認定しており、公聴会も開かれていない。宇都宮のLRT計画の場合、運審が「『沿線住民の合意が得られた計画とはいえない』と考える委員が多い」などとして「軽微な事案」に認定しなかったことから、活性化法の原則的な流れで審議されることになった。

《草町義和》

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